2年前のこと
2年前の3月11日、筆者は9日に生まれたばかりの長男と奥さんに会うため自宅から数キロ離れた病院に250ccのスクーターで向かっていた。途中、借りたCDを返すために蔦屋に寄ったところで大きな揺れを感じた。とっさに病院と自宅に残してきたお義母さんと長女のことが頭をよぎった。それは今までに体験したことのないほど大きな揺れで、棚のDVDは崩れ落ちCDは散乱した。全面ガラス張りのその店はぎしぎしと音を立ててしなり、店長の焦り声が店内に響いた。揺れが一段落して外に出てみると店の周りには不安そうな人だかり。ガラスが割れて怪我人が出なかったのは幸いだった。急いで病院に駆けつけると開け放たれた病室のドアの向こうにテレビのニュースに注目する奥さんの姿とスヤスヤ眠る長男がいた。
「よかった、無事だった?地震大きかったね」「うん、病院のボイラーが止まってお湯が出ないみたいだけど、今日出産予定の妊婦さんは…」
そんな会話のやり取りの中、テレビの画面に映し出された一生涯であるかないかの未曽有の映像を筆者は決して忘れない。
長男は2歳になった。やがて子供らが物心ついた頃にあの日のことを話そう。多摩西部でもあれだけ揺れた一日のことを。
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